血糖値を急激に上昇させるようなものを食べては行けない
「膵臓は急激に上昇した血糖値に刺激され、大量のインスリンを分泌する。しかし、インシュリンは糖を処理しきれず、余った糖は、脂肪として細胞に吸収され、それが脂肪細胞になる。さらに、急激に血糖値が上昇した時は、同様に処理しきれなかった糖が、脂肪細胞に吸収されて、肥満が継続する」
であれば、
「穏やかであっても、血糖値が上昇するのはよくないのだけど、穏やかであれば、インシュリンは、糖の処理をよく行うことができるので、比較的、肥満は抑えられる」
と考えて良い・・・
と、僕は考えているのですが、ドクター坂口から説明してもらいました。
以下は、そのノートです。
———-
血糖値は上昇すると何が悪いのか
血糖値が高いと、体内のたんぱく質に糖がくっつきます(糖化)。
これにより色々な蛋白が機能不全をきたします(酵素活性が低下、分解できずに蓄積する)。
また血管内で炎症を惹起します(血糖値の急激な上昇は炎症細胞が増えます)。
長く続くと、全身の動脈硬化以外に3大合併症が出る。
網膜症(失明)、腎症(透析)、神経障害(しびれ、たちくらみ、便秘、インポテンツなど)。透析の導入原因のトップは糖尿病です。
炭水化物を食べても血糖値が急激に上昇しないような制御機能
炭水化物を食べると血糖値は上昇します。急激に上昇しないよういくつかのバッファー機能があります。
胃
食べ物を攪拌しながら少しずつ腸に送ります(胃が無いと急激に上昇)。
肝臓
小腸で吸収され、血糖の上昇を感知して膵臓からインスリン放出、栄養分は門脈(静脈)を通って肝臓に到達します。
肝臓は血糖が高いと取り込んでグリコーゲンを作ります(取込みはインスリンの作用)。減ると逆に糖を放出します。
(肝臓悪いと血糖乱高下)
筋肉
インスリン刺激により筋肉はブドウ糖を取り込みます
この機構により、血糖値は厳密にコントロールされます。
1型糖尿病
若年に多い1型糖尿病はインスリンが全く出なくなり、血糖が上がります。
2型糖尿病
それに対し中年以後に多い2型糖尿病は
l インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)
l インスリンの出が減ってくる
の両方で血糖が上昇します。
インスリン抵抗性の原因として
- 筋肉量が減ってくる
- インスリンの効きを悪くする物質が増える
後者は、炎症や脂肪細胞(内臓脂肪)から分泌されるもがあります。
またインスリン過剰の状態も動脈硬化の原因になります
(耐糖能障害=糖尿病予備軍で、血糖値が高くなくても動脈硬化リスク)
減量で内臓脂肪からの悪いものが減少
運動療法で筋肉量、質の改善、内臓脂肪減少 に効くわけです。
インスリンをいくら打っても、効きの悪い状態を治すことも必要です(サイドブレーキ引きながらアクセル踏むのと同じ)。
血糖値正常でも、食べすぎれば脂肪になります。
インスリンは、脂肪の分解を抑える重要な作用があります。
これが不足すると脂肪の分解が進み、糖尿病が悪い状態(インスリン不足)だとやせてしまいます(不健康なやせ方)。
脂肪が増えるのは単に食べすぎなだけ
ちなみに本当の飢餓状態でも、糖がない、糖をつくるグリコーゲンもないと、脂肪を分解しはじめます。
l 糖代謝 解糖、糖新生 (インスリンは細胞への糖取込み刺激)
l 脂質代謝 β酸化 (インスリンはβ酸化を抑制)
ちなみに糖分ですが
l ショ糖(砂糖)=ブドウ糖+果糖
と二糖類は腸で単糖類になります。
細胞への取り込み
ブドウ糖の細胞への取込みはインスリンで制御を受けていますが、果糖などはいくらでも入ります。
しかも構造上糖化しやすいです。このため動物モデルではブドウ糖よりも果糖を食べさせる方が、病態が悪くなりやすいです。
また糖尿病患者では、加熱時間の多い食品はAGEが多い、合併症予防には加熱時間が少ない食品(AGE)少ない食品がベターというドクターもいます。
とても参考になるサイトがこれ。
↓
4. 2型糖尿病と砂糖の摂取 – 糖尿病と砂糖|農畜産業振興機構
sugar.alic.go.jp
独立行政法人農畜産業振興機構 〒106-8635 東京都港区麻布台2-2-1麻布台ビルTel:03-3583-8196 Fax:03-3582-3397